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vous ensemble

以呂波屋 8th Album

「あなたがいて、わたしがいて、二人」

秘封倶楽部のアコギインスト

それぞれのキャラクターをイメージしたメロディーと弾き方

二人が紡ぐ音楽をお楽しみください。

■頒布情報
頒布日

博麗神社例大祭13
2016 / 5 / 8 (Sun.)

頒布場所 L14b
頒布価格 700円(焼定)

後語り 

■「Vous Ensemble」について

 以呂波屋の秘封倶楽部楽曲のギターアレンジは、左chをメリーが、右chを蓮子が演奏している、という想像で、ギターや弾き方をかえて演奏を行っています。ちょうどジャケットを、ふたりが描いてある方を開きながら聞くとよいかと!
 本題なのですが、このアルバムを作る前後に、秘封倶楽部小説「ラブリィ≒イコール / 相乗り回転ブランコ様」を読みまして。大層感銘を受けたのもあってか、気がつけば4つのお話とエピローグについて想像が膨らんで今に至ったような気がします。
 というか、4つのお話の中でも特に"二人のアウリスイビ"が好きで、さらにエピローグやおまけ要素が愛おしすぎました。それらに惹かれて、Tr.1とTr.8(当時はTr.6相当)が先にできたんですよね。それに元々存在したTr.2とTr.7とを加えて。そのあとどうしようとなった時に浮かんだのがTr.5のリフレインで、作るに連れて"贋秘封倶楽部の冒険"の逃亡劇と重なっていった次第です。そうしたら、"黄金期の終わりに"ならどうだ、"苦海に叛いて翔ぶ"ならどうか、となったわけでございます。詳しくは各トラックの解説にて。
 ちなみにタイトルですが、フランス語で「with you」の対訳に当たる言葉で、まさに秘封のふたりにピッタリかと思います。ちなみにその辺のやっすいペアリング屋とかにもそういうのが売ってたりします。そういうことです。

■Tr.1 少女衛星 / 原曲:緑のサナトリウム

 宇宙を漂う双子のようなそうでないような人工衛星が交信し合う、でも最後には離れてしまって、といったイメージの曲です。
 まだアレンジをやったことのなかった"緑のサナトリウム"に、"voyager/BUMP OF CHICKEN"を掛け合わせたような楽曲に仕上げました。BUMPのアルバムのうち、プロローグとエピローグのような曲がある、そんなアルバムになることを意識したので、曲自体も短くしてあります。
 もちろん対になる曲は"Tr.8 衛星少女"。タイトル候補には"愛しくて"や"lovely"もありました。これはやりすぎですね笑

■Tr.2 ふたり - vous ensemble ver. / 少女秘封倶楽部

 以呂波屋1stアルバム"秘封倶楽部の午後"のTr.1 "ふたり"の再録音版になります。"ふたり"は以呂波屋を代表する曲だと自負していますし、秘封のふたりの掛け合いギターデュオがよく表現できた曲だとも思っています。
 そんなこの曲をもう一度録り直したらどうなるか、という興味は以前からあったのですが、それを無事今作に入れることができました。"楽譜:秘封倶楽部の午後"の付属CDでも"ふたり - Brilliant ver."がありますが、あれはRemixで音そのものは同じもの+αですしね。
 今の自分で表現できる"ふたり"ができたと思います。

■Tr.3 孤独だった記憶 / 原曲:未知の花、魅知の旅

 以呂波屋で"未知の花、魅知の旅"のアレンジをするのはこれで3回目になります。どんだけ好きやねん笑
 「ラブリィ≒イコール」の"黄金期の終わりに"を意識した曲に仕上げてみました。もともとは"imagenary friend"ってタイトルにしようと思ったのですが、対になるTr.6の曲名が思いつかず、逆にTr.6の"二人ぼっち世界"に導かれる形で今のタイトルに落ち着きました。
 基本的には"イマジナリーフレンドとの別れは悲しいことではなく次のステージに進むための一歩"というイメージ、明るいポップな楽曲に仕上げてみました。ちなみにその明るさを強調するパーカッションはブラシで叩いたドラムですね。パーカッションまでついているとはいえ最後には独りになるのですが。冒頭の回想のような何かも合わせて楽しんでやってください。

■Tr.4 水揺蕩う酉京都 / 原曲:大空魔術 ~ Magical Astronomy

 まずはメリー側にクラシックギターを使いたい、でアレンジし始めた曲です。後付けながら、「ラブリィ≒イコール」の"苦海に叛いて翔ぶ"の主人公マリオンとも相性は良かったと思います。
 この曲は、1コーラス目やオーラスのBメロのメリーパートがこの曲のすべてと言っても過言ではないかもしれません。またイントロやアウトロ、間奏で使っている1,2限解放コードの進行が結構お気に入りです。
 またこの曲については、曲というか、ギターの赴くままに指を走らせて今の形になったようながします。本編における感情と昂りと相反する冷静さとは奏でられたかなとは思います。
 なお本編が起こった街は酉京都でなかった気がするぞ、とどこかで思った気がしますが、タイトル対の関係上ここはひとつなかったことに。

■Tr.5 街駆行く卯東京 / 天空のグリニッジ

 ある意味で以呂波屋らしい一曲。脳内会議では、"1stのグリニッジアレンジはめっちゃおとなしいのにしたし、原曲のような派手めな感じにしよう"→"曲のイメージ的に走り抜けてく感じになってきたな"→"そういえば'贋秘封倶楽部の冒険'にそんなシーンあったな"、であった気がします。
 ギターのデュオといえば個人的にはDEPAPEPEというアーティストになるのですが、この曲はそういう意味ではDEPAPEPEお得意のスパニッシュテイストな音楽に落ち着きました。サビ前のフレーズ回しとかどう考えても"哀愁バイオレット / DEPAPEPE"意識したでしょ?感が笑
 あと秘封の原曲は、どちらかというとフレーズとしては個数が少なく、いわゆるJ-POPの「A,B,Cメロ+サビ」という構成に落とし込もうとすると少々無理が発生するのですが、この曲については上手いこといったのではと思ったり。特にCメロは自分でもお気に入りです。

■Tr.6 二人ぼっち世界 / 過去の花 ~ Fairy of Flower

 実はアルバム構成としては最後に生まれた曲。詳しくはTr.8の解説にて。
 過去の花自体はそんなに注目している曲ではなかったのですが、"「忘れものは、ない?」/夢現列車/豆屋様"を聞いた時に、この曲めっちゃええやん、となりまして、何か自分でも書きたいと思ったのをよく覚えています。
 この曲もメロディの数が少なく、ギターデュオアレンジを考えるのが難しかったのですが、一つ目の和音(E♭m6onC)を思いついてからはスムーズでしたね。
 ちなみにタイトル候補としては、Tr.3が英語タイトルだった頃合いに"girls talk"がありました。二人が会話しているかのように、似たメロディーを左右交互で奏でる曲にすることでその雰囲気が出せたかな、と思います。その旧タイトルもそうですが、今のタイトルである"二人ぼっち世界"も含めて、「ラブリィ≒イコール」の"二人のアリウスイビ"のふたりを表せたかな、と思います。
 ところでアリウスイビ、ということば、"アリバイ"の語源でもあるらしいのですが、意味は「他の場所に」とのこと。その真意は本編をご一読いただいて一緒にうおおおってなっていただきたいのですが、読了後のBGMは"flyby / BUMP OF CHICKEN"がいいと思います。

■Tr.7 とわに - vous ensemble ver. / 少女秘封倶楽部

 何曲目の"少女秘封倶楽部"のアレンジでしょうか笑 ふたりの対になる曲なので" - vous ensemble ver."とタイトルに付していますが、実際曲自体は2014年の今頃には出来ていました。プリプロの一発どりがあったので、そいつが無印版ですかね。ちなみに当時は"celebration"という名前を仮でつけていました。当時何を永遠に祝福したかはご想像にお任せします。
 "ふたり"が秘封倶楽部の活動を表現した曲なら、"とわに"は二人が寄り添う気持ちを表現した曲と言えるかもしれません。
 メロサビの構成は"ふたり"とはがらりと違った形になりましたが、これは"ふたり"が割と変なことをしてたので、"とわに"はベタに、とできたのがミソかも。あと個人的はイントロなどで使っているコードの進行が結構気に入っています。というかクリシェが好き。

■Tr.8 衛星少女 / 緑のサナトリウム

 Tr.1は衛星ですがこちらは少女。もともと"二人のアウリスイビ"を強く意識して作られた曲だったと記憶しています。Tr.1でも出てきた、"BUMP OF CHICKEN"の"voyager", "flyby"という曲があるのですが、この曲が本当に好きで、同時にこの作品と強く重なるような気がしています。その曲の歌詞が『あなたはどんなに離れても、いつだって僕の周回軌道上』なんですよね。一人だけど独りじゃないって素敵だなって。
 この曲はそういう意味ではまた再会できた、そんなハッピーエンドを意識しております。ゆえに最終的に"少女衛星"に戻るんですよね。
 ちなみに"衛星少女"のメインメロディは"少女衛星"のメインメロディとほぼほぼ同じです。どれくらい同じかというと、"少女衛星"がBPM120の四分音符で構成された音なのに対し、"衛星少女"はBPM90の付点八分音符で構成された音になります。ですので、微妙に異なる一部を除けば、スピードは倍違うもののぴったり重なるんですよね。もともとはTr.6だったこの曲がTr.8になったのは、この対の関係が自分の中で好きすぎたのでTr.1と明確に対になるこの位置に曲を移動させた、という経緯があったのです。今の曲配置は気に入ってるので、やってよかった、と思います。

■終わりに

 おそらく初めてですが、自分が曲を作った時の感想や感情を並べてみました。こう見返してみるとこっぱずかしいのですが、今回はその分想いもあったので、結果として良い作品になったのではないかと思います。

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